このプランの進め方
要点 1日1お題、5〜15分。完璧に撮るより、設定を変えて「違いを見る」ことが目的。
毎日の流れは同じです。お題を読む、近くの被写体で数枚撮る、写真を拡大して見るポイントを確かめる。この3つだけで、長くても15分ほどです。
- お題を読んで、被写体を決める家の中の物、通勤・通学の道、窓の外など、手近なもので構いません。毎日同じ被写体を使うと、設定の違いが比べやすくなります。
- 設定を変えて、3〜5枚撮る表の「設定の目安」を参考に、設定を1つだけ変えて撮ります。一度に変えるのは1つまでにすると、何が効いたかが分かります。
- 拡大して「見るポイント」を確かめる撮った直後に、画面を拡大して見ます。うまくいかなかった日も、それが学びです。
- 1行だけメモを残す「F2.8 だと背景がぼけた」のように、1行で構いません。最終日の振り返りで役に立ちます。
よくある失敗
- 1日に複数の設定を同時に変えて、何が効いたのか分からなくなる
- うまく撮れなかった日に、続けるのをやめてしまう。1日抜けても、翌日から再開すればよい
第1週 露出
要点 絞り・シャッタースピード・ISO・露出補正を1つずつ動かして、明るさがどう変わるかを体で覚える。
最初の1週間は、明るさを決める道具を1日1つずつ試します。対応する章は第1章(カメラの使い方 完全入門)です。
| 日 | お題 | 設定の目安 | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | いつものモードで1枚撮り、撮影情報(EXIF)を見る(第1章) | オートでよい。撮った写真の情報画面を開く | 絞り(F値)・シャッタースピード・ISO の3つの数字が、どこに表示されるか。まずは場所を知る |
| 2 | 絞り(F値)を変える(第1章) | 絞り優先(A・Av)。F値を最小・中間・大きめ(F8 前後)の3枚 | 背景のぼけの量。F値が大きいほど、ぼけは減るか |
| 3 | シャッタースピードを変える(第1章) | シャッター優先(S・Tv)。動く物(歩く人・揺れる木)を 1/60・1/250・1/1000 秒の目安で | 動きが止まるか、流れるか。速いほど止まる |
| 4 | ISO 感度を変える(第1章) | 暗めの室内で、ISO 100・400・1600・6400 の目安。他は固定 | ざらざらしたノイズが出る境目。写真を等倍に拡大して見る |
| 5 | 露出補正を使う(第1章) | 絞り優先。同じ場面を −1・0・+1 の3枚 | 明るさの変化。白い物を撮ると、0 では暗く感じるか |
| 6 | ヒストグラムを見る(第1章) | 明るい窓と暗い室内が両方入る場面を、露出補正 −1・0・+1 で | ヒストグラムが左右どちらの端に寄るか。白飛びや黒つぶれが出る境目 |
| 7 | 三要素を組み合わせる(第1章) | マニュアル(M)で、同じ明るさを 2通りの設定で(例:F2.8 で速いSS、F8 で遅いSS) | 明るさは同じでも、ぼけと動きの出方が変わるか |
よくある失敗
- 3日目に動く被写体が見つからない。蛇口の水や、風で揺れる洗濯物でもよい
- ISO の違いを、画面全体の小さな表示で比べて分からなくなる。拡大して比べる
第2週 ピントと動き
要点 ピントを置く場所、ぼけの作り方、動きの止め方と流し方。「どこを見せるか」を自分で決める。
第2週は、ピント(第2章)と動き(第3章)が中心です。動く被写体は、歩く人・走る犬・通る電車や車など、安全に撮れる物で構いません。
| 日 | お題 | 設定の目安 | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| 8 | ピントを置く位置を変える(第2章) | 花や置物を、手前・中央・奥にピントを置いて3枚。F値は小さめ | どこが一番くっきりしているか。人物なら手前側の目に合わせる練習 |
| 9 | 近づいてぼかす(第2章) | 同じ F値のまま、被写体に近づく・離れる・背景から遠ざける | 背景のぼけの量が、どの動きでいちばん変わるか |
| 10 | 手前から奥までくっきり(第2章) | 風景や室内で F8〜F11 の目安。ピントは画面の手前寄り | 手前と奥の両方がくっきりしているか。F16 以上で全体が甘くならないか |
| 11 | AF の動き方を使い分ける(第2章) | 止まる物は AF-S、歩く人や犬は AF-C(呼び名はメーカーで違う)。連写で5〜10枚 | ピントが合っている枚数。AF-S で動く物を撮ると外れやすいか |
| 12 | 手ぶれを確かめる(第3章) | 手持ちで、1/30・1/60・1/250 秒の目安で同じ物を3枚ずつ | どのシャッタースピードから、輪郭が揺れて見えるか。自分の限界を知る |
| 13 | 流し撮りに挑戦(第3章)。人や車が通らない日は、蛇口や洗濯物を横に追う | シャッター優先で 1/30〜1/125 秒の目安。歩く人や通る車を、目で追いながら撮る。安全な場所で | 背景は流れ、被写体はある程度止まっているか。失敗も多いので10枚以上撮る |
| 14 | 水の流れを撮る(第3章) | シャッター優先で 1/4〜1 秒の目安。ISO は最低、明るすぎれば F値を大きく。三脚か、置ける台を使う。蛇口の水や噴水でもよい | 水が糸のように流れて見えるか。カメラがぶれていないか |
このサイトの実例:1/1000 秒より速いシャッターで撮った写真
このサイトの実例:1/15 秒より遅いシャッターで撮った写真
よくある失敗
- 13日目の流し撮りで、道路に近づきすぎる。車や自転車がある場所では、安全を最優先にする
- 14日目に、手持ちで遅いシャッターを使って全体がぶれる。机や壁にカメラを置くだけでも違う
第3週 光・色・構図
要点 同じ被写体でも、光の向き・時間・色・画角・構図で別の写真になる。
第3週は、光と色(第4章)、画角(第5章)、構図(第6章)です。構図の考え方は、教科書の構図ガイド(/composition)にまとまっています。
| 日 | お題 | 設定の目安 | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| 15 | 光の向きを変える(第4章)。曇りや夜なら、窓際で物を回して撮る | 同じ物を、順光・サイド光・逆光の3方向から撮る。露出補正は好みで | 影の位置と、質感の見え方の違い。逆光で暗くなった所をどう明るくするか |
| 16 | 朝か夕方の光を撮る(第4章)。時間が合わない日は、窓辺の光が低い時間でもよい | 日の出後・日没前の時間帯に、同じ場所を撮る。露出補正 −0.3〜−1 の目安 | 光の色が昼と比べてどう違うか。影の長さ、暖かさ |
| 17 | ホワイトバランスを変える(第4章) | 室内の電球の下で、オート・電球・太陽光の3枚 | 白い物が白く見えるのはどれか。色かぶりの出方 |
| 18 | 曇りや日陰の光を撮る(第4章)。晴れの日は建物の日陰か窓辺で | 曇りの日や日陰で、人や花を撮る。露出補正は 0 から始め、被写体が暗ければ + へ | 影が弱く、やわらかい写りになるか。色が青っぽくないか |
| 19 | 広角と望遠を比べる(第5章) | 同じ場所から、ズームで広角側・標準・望遠側の3枚。スマートフォンは倍率を変える | 写る範囲(画角)と、背景の大きさの違い |
| 20 | 三分割構図を試す(第6章) | 画面を縦横3分割に見立て、被写体を線の交点付近に置く。中央に置いた写真と比べる | どちらが落ち着いて見えるか。視線がどこへ向かうか |
| 21 | 余白と額縁を使う(第6章) | 被写体の手前に枝や窓枠を入れて囲む(額縁)、または周りに余白を取る。3パターンで | 奥行きや静けさが出るか。余計な物が写り込んでいないか |
よくある失敗
- 16日目に太陽を直接のぞく。ファインダーや画面で太陽を見続けない
- 17日目に、ホワイトバランスを変えたまま次の日も撮り、色が変なことに気づかない。終わったらオートへ戻す
第4週 場面別
要点 覚えた設定を場面に当てはめる。最後の3日は、現像・失敗の直し・機材の点検で締める。
第4週の前半は、場面別レシピ(第7章)に沿って、風景・街・料理・人物・夜景を試します。後半の3日は、仕上げ(第8章)、失敗の直し方(第9章)、機材の手入れ(第10章)です。
| 日 | お題 | 設定の目安 | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| 22 | 風景を1枚(第7章) | F8〜F11 の目安。画面の手前寄りにピント。水平を確かめる | 空と地面の割合。手前に目印があるか。傾いていないか |
| 23 | 街のスナップ(第7章)。人が苦手な日は、看板や影だけ | 絞り優先で F4〜F8、シャッターは 1/250 秒以上が目安。人の顔が主役にならないよう配慮する | 人や車と背景の関係。顔が写る場合は、周りへの配慮を忘れない |
| 24 | 料理や室内の物を撮る(第7章) | 窓からの光で、斜め上と真横から。F値は小さめから中間 | 光の向き。ホワイトバランス(黄色く見えないか)。ピントを置く場所 |
| 25 | 人物を撮る(第7章)。相手がいない日は、ぬいぐるみや自分の手 | 家族や友人にお願いして、承諾を得て撮る。F値は小さめ、ピントは手前側の目 | 目のピント、顔の明るさ、背景の整理。表情が自然か |
| 26 | 夜の景色を撮る(第7章) | 三脚か台に置き、F8 前後・ISO 100〜400 の目安、シャッターは 1〜数秒、セルフタイマー併用。安全で明るい場所で。夜に出られない日は、室内の照明を落としてキャンドルなどを撮る | ぶれていないか。光源の白飛び。夜道の安全 |
| 27 | RAW 現像か、スマートフォンの編集を試す(第8章) | 好きな1枚を選び、明るさ→コントラスト→色の順に、少しずつ調整する | 元の写真と見比べて、やりすぎていないか。順番を守ると失敗が減る |
| 28 | 自分の失敗写真を1枚直す(第9章) | これまでの失敗写真から1枚選び、原因を特定してから撮り直す | ぶれ・ピンボケ・暗い・白飛びのどれか。直したら、本当に良くなったか |
| 29 | 機材の点検と、写真のバックアップ(第10章) | レンズの汚れ、バッテリー、カードの空き容量を確認。写真を別の場所へコピー(時間がかかるときは開始だけして任せる) | レンズの指紋、センサーのゴミ(F11 以上に絞って青空か白い壁を撮ると見える。自分で触らない)。バックアップが2か所以上あるか |
このサイトの実例:焦点距離 24mm 以下(広角)で撮った写真
このサイトの実例:焦点距離 135mm 以上(望遠)で撮った写真
よくある失敗
- 23日目に、知らない人の顔を撮ることに不安を感じる。街並みや看板、影を主役にしてもよい。撮れる場所・撮ってよい人かは、各地の決まりと相手の気持ちを大切にする
- 26日目に、暗い場所で足元が見えず危険になる。安全な場所を選ぶ
最終日 振り返り
要点 30日分を見直して、できるようになったことと、次の1か月の目標を1つ決める。
30日目は新しいお題は撮らず、これまでの写真を見直します。所要は 15 分ほど。振り返りの質が、次の上達の速さを決めます。
| 日 | お題 | 設定の目安 | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| 30 | 30日分の写真を見直し、次の目標を決める(全章) | 撮影情報(EXIF)を見ながら、お気に入り5枚と、うまくいかなかった5枚を選ぶ | 好きな写真の共通点と、失敗の共通点。次に直す1つのこと |
- お気に入り5枚と、残念な5枚を選ぶ30日分の写真を一覧で見て、「好き」と「残念」を5枚ずつ選びます。迷ったら、直感で構いません。技術的な出来より、好きかどうかを優先します。
- EXIF を見て、数字を比べるEXIF(撮影情報)は、写真アプリやパソコンの「情報」画面で見られます。見方はアプリで違います。見る項目は、絞り(F値)・シャッタースピード・ISO・焦点距離・露出補正の5つ。お気に入りと残念で、数字に傾向があるかを探します。
- 傾向を言葉にする例:「お気に入りは F値が小さく、被写体に近い」「残念な写真は、夕方の室内でシャッターが遅い」。1行で構いません。毎日のメモも手がかりにします。
- 次の目標を1つだけ決める「ぶれを減らす」「ピントを目に合わせる」「光の向きを意識する」など、具体的な目標を1つだけ。目標は1つにすると、次の1か月で変化が見えやすくなります。
- 目標に合う章に戻るぶれなら第3章、ピントなら第2章、色なら第4章、仕上げなら第8章。必要な章だけ読み直します。
| 項目 | 何が分かるか | 見るときの一言 |
|---|---|---|
| 絞り(F値) | ぼけの量と、ピントの合う範囲 | ぼけすぎ・ぼけなさすぎの写真で、F値を確かめる |
| シャッタースピード | 動きの止まり方と、ぶれやすさ | ぶれた写真は、遅すぎないかを確かめる |
| ISO | ノイズの出やすさ | ざらつく写真は、ISO が高すぎないかを確かめる |
| 焦点距離 | 画角(写る範囲) | 広角と望遠のどちらを多く使ったか、偏りを知る |
| 露出補正 | 明るさをどうずらしたか | 明るさを直す癖があるか、いつも暗めか明るめか |
よくある失敗
- 振り返りで、失敗した写真を見るのがつらくなる。失敗は上達のヒントなので、原因を1つ探せれば十分
- 次の目標を5つも6つも立てる。1つに絞るほうが、変化に気づきやすい













