風景
要点 絞ってISOを低く、安定した構えで、手前に目印を置いて奥行きを出す。
風景は、広い景色の中から「何を見せるか」を決める撮影です。全部を入れようとすると、何も伝わらない写真になりがちです。
準備
- 光のよい時間を選ぶ。朝夕の低い光は影が長く、立体感が出やすい(第4章)
- 三脚があると、低い ISO と絞ったF値でじっくり撮れる。使えない場所では無理をしない
- 水平を確かめるため、画面のグリッド線や水準器を表示しておく
- レンズの前の汚れを拭く。逆光では汚れが目立つことがある
設定の目安
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| モード | 絞り優先(A/Av) | F値を決めると、残りをカメラが決めてくれる |
| F値 | F8〜F11 | ピントの合う範囲が深く、画質も保ちやすい(第2章) |
| ISO | 低め(ISO 100〜400程度) | ざらつきを抑える。三脚なら遅いシャッターでも撮れる |
| ピント | 画面の手前寄り・スポットAF | 奥のほうが合って見える範囲が広い |
| レンズ | 広角〜標準 | 広く見せる。望遠で一部を切り取るのも有効(第5章) |
構図のコツ
- 手前・中景・奥の3層をつくる。手前に岩や花、道などを置くと奥行きが出る
- 水平線は画面の真ん中から外す。空を見せたいなら上寄り、地面を見せたいなら下寄りに
- 視線を導く線(道・川・柵)を、画面の隅から中へ入れる(第6章)
- 主役は1つ。ほかは主役を引き立てる脇役にする
このサイトの実例:F8 以上(大きい F 値)で撮った写真
このサイトの実例:焦点距離 24mm 以下(広角)で撮った写真
よくある失敗
- 水平が傾く。海や湖は特に目立つので、撮る前に確かめる
- 空が白く飛ぶ。露出補正をマイナスにする(第1章)か、第8章の現像で整える
- 広角で撮ったら主役が小さくなった。近づくか、望遠で切り取る
- 全体が甘い。絞りすぎやシャッターの遅さが原因のことがある(第2・3章)
旅のスナップ
要点 「風景・人・小さな物」を混ぜて撮ると、あとで旅の流れが思い出せる。機動力を優先して設定は簡単に。
旅では、同じ場所に何度も来られません。設定を細かく詰めるより、素早く撮れる状態にしておくことが大切です。
準備
- バッテリーと記録メディアの空きを朝に確かめる(第10章)
- ISO AUTO と絞り優先(A/Av)にしておけば、移動しながらでも撮れる
- 画角は広角〜標準のズーム1本が扱いやすい。荷物は軽く
- 行き先の撮影ルール(撮影禁止の場所・三脚の可否)を事前に調べる。現地の掲示にも従う
設定の目安
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| モード | 絞り優先(A/Av)またはオート | 動きながら撮るので、迷わない設定にする |
| F値 | F4〜F8 | 街並みや風景を、ほどよい深さで写す |
| ISO | AUTO(上限を決めておく) | 暗い場所で上限に達したら、シャッターが遅くなっていないか確かめる |
| シャッター | 1/250秒より速くなるように見る | 歩く人や乗り物が写り込んでもぶれにくい |
構図のコツ
- 引き(全体)・寄り(物や食べ物)・人の3種類を意識して撮る
- 看板・駅名・メニューなど、場所の手がかりになる物を1枚入れておく
- 朝や夕方の人が少ない時間を狙うと、人混みのない写真が撮れる
- 同行者を撮るときは、先に声をかける。見知らぬ人の顔が大きく写るときは、了承を得るか、写らない構図に
このサイトの実例:スマートフォンで撮った写真
よくある失敗
- 有名な場所だけを撮って、全体に似た写真になる。細部や足元、道すがらの景色も撮る
- 撮影禁止の場所や私有地に入ってしまう。掲示と案内を確かめる
- 荷物が重くて疲れ、後半に撮らなくなる。持ち物は最小限に
夜景
要点 三脚で固定して低ISO・絞ったF値・遅いシャッター。手持ちなら、ぶれない速さを優先する。
夜景は、街灯やビルの明かりと暗い空の差が大きい場面です。日没後の薄暗い空が残る時間(ブルーアワー、第4章)は、空に色が残り、建物の形も見えるので撮りやすい時間帯です。
準備
- 三脚を持っていく。使えない場所では、手すりや壁にカメラを置いて固定する方法もある(置いて落とさないよう注意)
- セルフタイマー(2秒など)かリモコンで、シャッターを押すときの揺れを避ける
- 手ぶれ補正は、三脚に固定するときに切ったほうがよい機種がある(説明書を確認)
- 暗い道・段差・車の近くでは、足元と周囲に注意する。無理に前へ出ない
設定の目安
| 項目 | 三脚あり | 手持ち |
|---|---|---|
| F値 | F8〜F11(光芒を出したいとき) | 開放〜F4(明るさ優先) |
| ISO | 100〜400程度 | 1600〜6400程度(ざらつきとぶれの兼ね合い) |
| シャッター | 数秒〜30秒程度 | 1/30秒前後以上を目安に、手ぶれ補正を使う |
| ピント | ライブビュー(背面液晶に映像を出す表示)を拡大してMF(手動ピント) | AF。合わなければ明るい光の所へ合わせる |
構図のコツ
- 手前に道・橋・水面を入れると、明かりの反射や線が画面に奥行きをつくる
- 絞ると、点の明かりが星形に広がること(光芒)がある。レンズで出方は変わる
- 水面のある場所では、波が穏やかなら明かりが映り込む。遅いシャッターでなめらかに
- 車の光跡は、シャッターを数秒〜数十秒にすると線として写る(第3章の長秒露光)
このサイトの実例:1/15 秒より遅いシャッターで撮った写真
このサイトの実例:ISO 1600 以上で撮った写真
よくある失敗
- 明かりが白く飛ぶ。露出補正をマイナスにして、明かりの色を残す
- 手持ちでぶれる。ISO を上げ、シャッターを速くする(ノイズは第8章で軽くできることがある)
- ピントが合わない。ライブビューで明るい光を拡大してMFにする
- ホワイトバランスで色が不自然。RAWで撮れば後から直しやすい(第4・8章)
星空
要点 暗い場所で、広角の明るいレンズを三脚に固定し、星が点に見える長さで撮る。安全第一。
星空は、街の明かりが少ない場所のほうが星がよく見えます。月が明るい夜は星が写りにくく、月の無い夜(新月前後)が向くと言われます。
準備
- 事前に昼間に場所を下見する。夜は足元が見えにくく、危険な場所もある
- ヘッドライトなどの明かりを持つ。撮影中は他の人の邪魔にならない向きで使う
- 三脚・リモコンかセルフタイマー・予備バッテリー。寒いと電池が早く減ることがある
- ひとりで山や人気のない場所に入らない。家族や友人に行き先を伝え、無理をしない
- 車の通る道では、路肩に出ない。私有地や立入禁止の場所には入らない
設定の目安
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| モード | マニュアル(M) | 明るさを固定したい場面(第1章) |
| レンズ | 広角で、F値の小さい明るいレンズ | 多くの光を集められ、広い空が入る(第5章) |
| F値 | 開放〜少し絞る程度 | 星の光を集める。周辺の形の崩れが気になれば少し絞る |
| ISO | 1600〜6400程度 | 星が見える明るさに |
| シャッター | 15〜25秒程度が出発点 | 長すぎると星が線になる |
| ピント | MFで、明るい星や遠くの明かりを拡大して合わせる | AFは暗くて迷うことが多い |
構図のコツ
- 地上の物(木・山の稜線・建物のシルエット)を入れると、スケール感が出る
- 天の川などは、見える方角や時期が場所で変わる。事前に星空アプリなどで確認する
- 星の数に頼りすぎず、空と地上のバランスを決める(空を画面の半分以上にするなど)
- 撮影後の画面は明るく見える。画面の明るさを下げ、目を暗さに慣らしておく
このサイトの実例:ISO 1600 以上で撮った写真
よくある失敗
- ピントが合っていない。ライブビューで星を拡大し、いちばん小さい点にする
- シャッターが長すぎて星が線になる。秒数を短くしてISOで補う
- 手元の明かりが他の人の写真に入る。人が撮っているときは照らさない
- 暗い場所での事故。足元・段差・動物・車に十分に気をつける
人物(ポートレート)
要点 了承を得てから撮る。目にピントを置き、背景を整理して、表情が出る時間をつくる。
人物撮影は、写る人との信頼で成り立ちます。無断で顔を撮らない、撮った写真の使い道を伝える、嫌だと言われたらやめる。この3つを守ってください。ネットに載せる場合の決まりは各地で違うため、確かめてください。
準備
- 撮る前に、撮ってよいか・写真をどう使うかを伝えて了承を得る
- 光は、日陰や曇りのやわらかい光が肌をきれいに写しやすい(第4章)
- 背景を整理する。人の頭から木が生えて見える配置などを避ける
- 動きやすい位置に立ち、話しかけて緊張をほぐす
設定の目安
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| モード | 絞り優先(A/Av) | ぼけ量を自分で決められる |
| F値 | F2〜F4程度 | 背景をほどよくぼかす(第2章) |
| 焦点距離 | 50〜100mm程度(35mm判換算) | 顔がゆがみにくく、背景から離しやすい(第5章) |
| ISO | AUTO | 表情を撮り逃さないため |
| ピント | 顔・瞳検出、または手前側の目 | 目が合っている写真は印象が強い |
| シャッター | 1/200秒前後以上 | 表情や身振りのぶれを避ける |
構図のコツ
- 目の高さに合わせる。見下ろすと小さく、見上げると大きく見えることがある
- 手首・ひざなど関節ちょうどで切らない。切るなら、関節の少し上か下で
- 背景は人から離す。距離があるほど、きれいにぼける
- 全身・半身・顔のアップを撮り分ける。手や持ち物も入れると雰囲気が出る
- 窓際の光(半逆光)や、日陰の明るい面は、顔がきれいに写りやすい
このサイトの実例:F2.8 以下(小さい F 値)で撮った写真
このサイトの実例:焦点距離 135mm 以上(望遠)で撮った写真
よくある失敗
- ピントが鼻やまつ毛に合う。手前側の目に合わせる
- 逆光で顔が暗い。露出補正をプラスにする、白い壁などの反射で光を足す(第9章)
- 広角で寄りすぎて顔がゆがむ。少し離れて望遠側で撮る
- 了承なしに顔を撮る・公開する。写る人の気持ちを優先する
子ども
要点 速いシャッターと連写で動きを止め、目線の高さで撮る。保護者の了承が前提。
子どもは予想できない動きをするため、準備と設定で「撮り逃さない」状態をつくります。自分の子どもでなければ、必ず保護者の了承を得て撮り、写真の使い方(SNSに載せるかどうか)も確認してください。公園や学校などの施設には、撮影のルールがあることがあります。
準備
- AF-C(動く被写体を追い続けるピント設定。呼び名はメーカーで違う)と連写を有効にしておく(第2章)
- 屋内は暗いので、ISO AUTO の上限を高めにして、シャッターを確保する
- フラッシュは、子どもが驚いたり、周りの迷惑になったりすることがある。まず窓際の光を選ぶ
- 一緒にしゃがんで目線を合わせ、遊びの中で撮る。「撮るよ」と構えすぎない
設定の目安
| 場面 | シャッター | F値 | ISO |
|---|---|---|---|
| 座って遊ぶ | 1/250秒前後以上 | F2〜F4 | AUTO |
| 歩く・走る | 1/500〜1/1000秒以上 | F2.8〜F5.6 | AUTO(上限は高めに) |
| 遊具・ブランコ | 1/1000秒以上 | F4〜F5.6 | AUTO |
| 屋内の窓際 | 1/125秒前後以上 | 開放〜F3.5 | 800〜3200程度 |
構図のコツ
- 子どもの目線まで下りて撮る。見下ろすより、子どもの世界が伝わる
- 顔だけでなく、手・足・後ろ姿・持ち物も撮る。成長の記録になる
- 背景をシンプルにして、表情と動きを主役にする
- 連写したうち、目が開いているもの、動きの頂点の1枚を選ぶ
このサイトの実例:1/1000 秒より速いシャッターで撮った写真
よくある失敗
- シャッターが遅くて、動きがぶれる。ISO を上げてでも速さを確保する
- ピントが背景に抜ける。顔・瞳検出がある機種は使う
- 他の子どもが写り込んだ写真を、そのまま公開する。写り込みに配慮する
- 「こっち向いて」と言い続け、自然な表情が減る。遊びの合間を待つ
ペット・動物
要点 目線の高さで、目にピント。動物園や野生動物では、距離を保ち、動物に負担をかけない。
動物の写真で大切なのは、動物の安全と気持ちです。無理に近づかない、フラッシュは使ってよいか確かめる(驚かせることがある)、餌をやらない(施設や地域の決まりを確かめる)。野生動物には近づきすぎず、望遠で距離を取ります。
準備
- AF-C・連写・動物の目の検出(対応する機種)を使う
- ペットは、おやつや遊びで気を引き、落ち着いた表情を待つ
- 動物園では、ガラスや柵越しの撮り方を工夫する。レンズをガラスに近づけ、手で周りの光をさえぎると映り込みが減る
- 野生動物は、巣や子育て中の場所に近づかない。ルールを守り、静かに
設定の目安
| 場面 | シャッター | F値 | メモ |
|---|---|---|---|
| 寝ている・座っている | 1/200秒前後以上 | F2.8〜F5.6 | 目にピントを置く |
| 走る・遊ぶ(犬・猫) | 1/1000秒以上 | F4〜F5.6 | AF-C・連写 |
| 動物園(柵・ガラス越し) | 1/250〜1/500秒 | 開放寄り | 柵のぼかし方は第2章参照 |
| 飛ぶ鳥 | 1/2000秒前後以上 | F5.6〜F8 | 望遠・AF-C・連写 |
構図のコツ
- 目の高さに合わせる。犬や猫なら、床や地面近くまで下がる
- 動物の進む先に余白を空けておくと、動きが伝わる(第6章)
- 毛並みや鼻先など、部分を寄って撮るのも魅力が出る
- 柵や網を目立たせたくないときは、レンズを近づけて開放寄りにすると、ぼけて消えやすい
このサイトの実例:焦点距離 135mm 以上(望遠)で撮った写真
このサイトの実例:1/1000 秒より速いシャッターで撮った写真
よくある失敗
- フラッシュで動物が驚く。自然光を使う
- ピントが毛や鼻先に抜ける。目の検出が使える場合は使う
- 近づきすぎて動物にストレスをかける。距離を保つ
- ガラスに自分が映る。黒っぽい服にする、レンズをガラスに寄せる
街・ストリート
要点 人の暮らしがある場所。撮ってよい場所かを確かめ、写り込む人の気持ちに配慮して、さりげなく撮る。
街の写真は、光・影・人の気配・看板・色の組み合わせで決まります。一方で、見知らぬ人が写る場面が多いため、配慮が欠かせません。顔がはっきり見える撮り方は避ける、嫌がられたらその場で消す、お店や私有地の中では許可を得る。国や地域で撮影の考え方が違うため、各地の決まりを確かめてください。
準備
- 小さめのカメラ・単焦点(28〜50mm前後)は、人に圧を与えにくく機動的
- 絞り優先(A/Av)で F5.6〜F8 に置き、ISO AUTO にしておく
- 人通りの多い場所の三脚は避ける。通行の邪魔にならないように
- 撮影禁止の掲示、店・施設のルール、立入禁止の表示を守る
設定の目安
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| F値 | F5.6〜F8 | ピントの深さに余裕を持たせ、とっさに撮れる |
| シャッター | 1/250〜1/500秒 | 歩く人もぶれにくい |
| ISO | AUTO | 明るさの異なる場所を移動するため |
| ピント | 距離を先に決めておく方法(ゾーンフォーカス)もある | 反応を速くする。1枚ずつ合わせるAFの設定(呼び名はメーカーで違う)や顔検出も有効 |
構図のコツ
- 光の当たる場所を見つけて待つ。そこを人が通る瞬間を撮る
- 窓・ドア・影など、画面の中に「枠」をつくる(第6章)
- 後ろ姿・手元・シルエットなら、人の顔を出さずに雰囲気を写せる
- 1枚で決めずに、同じ場所で何枚か撮る
このサイトの実例:スマートフォンで撮った写真
よくある失敗
- 近距離で顔を大きく撮り、相手を不快にさせる。離れて撮る・声をかける・撮らない
- 店先や私有地、立入禁止の場所に入る。表示と許可を確かめる
- ポスターや看板などの著作物をそのまま作品として公開する。扱いは各地の決まりを確かめる
- 歩きながら画面を見て、人や車にぶつかる。立ち止まって撮る
料理
要点 窓際のやわらかい光で、斜め上から。白飛びさせず、余計な物を画面から外す。
料理は、光と角度でおいしそうに見えるかが決まります。店内で撮るときは、周りの人の迷惑にならないよう、シャッター音やフラッシュに気をつけ、お店の撮影のルールを確かめます。
準備
- 窓際の席を選ぶ。窓からの光は料理にやわらかく当たる
- フラッシュは使わない。料理がてかり、陰も強くなることがある
- 皿の縁やテーブルの汚れを拭く。余計な物(調味料・スマートフォン)は画面から外す
- 冷める前に、手早く撮る
設定の目安
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| F値 | F2.8〜F5.6 | 主役を浮かせつつ、料理の手前〜奥をカバー |
| ISO | AUTO | 室内は暗いので |
| シャッター | 1/60秒より速く(手ぶれ補正があれば遅めも) | 手持ちでぶれないよう確保 |
| 露出補正 | プラス0.3〜1段程度 | 白い皿や明るい料理が暗くなるのを防ぐ(第1章) |
| ホワイトバランス | オート、または白い皿が白く見える設定 | 室内の電球色を整える(第4章) |
構図のコツ
- 斜め45度前後は立体感と奥行きが出る。真上は器や並びを見せられる
- ピントは、いちばん見せたい部分(手前の1品・断面)に置く
- サイドの光で質感が出る。逆光気味だと湯気やつやが写りやすい
- テーブルや背景は、料理と色の違うものを選ぶと引き立つ
このサイトの実例:F2.8 以下(小さい F 値)で撮った写真
よくある失敗
- 室内の電球色で全体が黄色い。ホワイトバランスを直す(第4章)
- てかりが強い。光の向きを変える・皿を回す
- 斜めから撮って、手前だけピントが合う。絞る・ピント位置を見直す
- 他のお客さんが写り込む。画角を狭める、後ろの人を写さない
花・マクロ
要点 近づく撮影は、ピントの合う範囲がとても浅い。ピントの位置と、風と、背景に注意。
花や小さな物を大きく写す撮影をマクロ(接写)と呼びます。近づくほどピントの合う範囲は浅くなり、少しの動きでもずれます(第2・5章)。
準備
- 最短撮影距離(ピントが合う、いちばん近い距離。撮像面から測る)を確かめる。それより近づくとピントは合わない
- 風の弱い朝や曇りの日は、花が揺れにくく、やわらかい光で色も出しやすい
- 三脚や、地面近くで構えられるカメラの置き方があると安定する
- 草地・花壇・畑では、踏み荒らさない。私有地や立入禁止の場所には入らない
- 虫や蜂に注意する。無理に近づかない
設定の目安
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| F値 | F2.8〜F8(見せたい範囲で決める) | 開けるとふわっと、絞ると形がはっきり |
| シャッター | 1/250秒前後以上 | 近距離は小さな揺れも大きく写る |
| ISO | AUTO、または低め | 細部の質感を保つ |
| ピント | スポットAF、またはMFで拡大して | 狙いの花びらにぴったり |
| 焦点距離 | 標準〜中望遠、またはマクロレンズ | 背景を整理しやすい |
構図のコツ
- 背景を選ぶ。暗い木陰を背景にすると、花が浮き上がる
- 逆光気味にすると、花びらが透けて見える。露出補正をプラスに
- 全体と部分(おしべ・しずく)を撮り分ける
- 真ん中に1つ置く構図に頼らず、余白と対角線を試す(第6章)
このサイトの実例:F2.8 以下(小さい F 値)で撮った写真
よくある失敗
- ピントが花の手前や奥に外れる。近距離はピントが薄い。体を前後に動かして合わせる
- 風で花が揺れて、ぶれる。シャッタースピードを速くする・風の止まる間を待つ
- 背景に明るい点や枝が入り、うるさい。位置を変えて背景を暗くする
- 花を折る・引っぱる。自然や他の人の花には触れない
建築・室内
要点 垂直・水平をそろえ、光と線を見せる。許可・撮影ルールの確認を忘れずに。
建物は、直線と面で構成されており、少しの傾きが目立つ被写体です。寺社や美術館、商業施設などの中には、撮影のルール(撮影不可・三脚不可・フラッシュ不可)があることがあります。掲示と案内に従ってください。
準備
- 画面のグリッド線と水準器を表示し、カメラを水平にする
- 撮影可能か、三脚・フラッシュは使えるかを確かめる
- 室内は暗いので、手ぶれ補正と ISO AUTO を使う。フラッシュは周囲の迷惑になることがある
- 訪れる時間によって光の入り方が変わる。窓からの光が射す時間を狙う
設定の目安
| 項目 | 外観 | 室内 |
|---|---|---|
| F値 | F5.6〜F8 | 開放〜F5.6(暗さによる) |
| ISO | 100〜400程度 | AUTO、上げすぎない範囲で |
| シャッター | 1/125秒前後以上 | 手ぶれ補正を使い、遅くなりすぎないように |
| 焦点距離 | 広角〜標準 | 広角(歪みに注意) |
構図のコツ
- 正面から、左右対称を意識する。奥へ向かう線の収束を見せるのも効果的
- 見上げて撮ると、垂直線が傾いて写る。離れて、望遠側で撮ると傾きが減る
- 窓や入口から入る光、床に映る影を主役にする
- 人を小さく入れると、空間のスケールが伝わる(顔が分からない大きさにするなど配慮を)
このサイトの実例:焦点距離 24mm 以下(広角)で撮った写真
よくある失敗
- 垂直線が内側に倒れる。離れて撮る、現像で補正する(第8章)
- 窓が白く飛び、室内が暗い。明暗差が大きいときはRAWで撮り、現像で整える
- 撮影禁止の場所で撮る。掲示を守る
- 他の来訪者が写り込む。人の少ない時間・タイミングを待つ
雪・海・水辺
要点 明るい場面は暗く写りやすいので露出補正をプラスに。水辺では安全と機材の水濡れに注意。
雪や砂浜、水面の反射は、周りが明るいため、カメラが「明るすぎる」と判断して暗く写すことがあります。結果として、白い雪がグレーに写ります(第1章の露出補正)。
準備
- 寒い場所ではバッテリーが早く減ることがある。予備を持ち、体温で温める
- 寒い所から暖かい屋内に入ると、レンズや本体が結露することがある。袋に入れて、ゆっくり慣らす(第10章)
- 海辺は水しぶきや砂、潮風に注意する。レンズの交換は避け、使用後はやさしく拭く
- 足場の悪い場所、波打ち際、凍った面では、無理に近づかない。波の高さや天気を確かめる
- 偏光フィルター(PL)は、水面の反射を減らし空の青を濃くできることがある(第5章)
設定の目安
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 露出補正 | プラス0.7〜1.5段程度(雪・砂浜) | 白をグレーにしないため。ヒストグラムを見て調整 |
| F値 | F5.6〜F11 | 景色全体をくっきり |
| シャッター | 動く水は狙いで変える(第3章) | しぶきを止めるなら1/1000秒前後、流すなら遅く |
| ISO | 低め | 明るいので上げる必要が少ない |
| ホワイトバランス | オート、または晴れ | 雪の影が青っぽくなることがある |
構図のコツ
- 雪は、足跡のない面・影・木々の線がアクセントになる
- 海は、水平線を傾けない。波、岩、船などを手がかりに
- 水面の反射は、風が止んだ静かな時間を待つ
- 白い画面に、人や傘など色のある物を1点入れると引き締まる
このサイトの実例:1/15 秒より遅いシャッターで撮った写真
よくある失敗
- 雪が灰色に写る。露出補正をプラスにして、ヒストグラムで確かめる
- 水しぶきでレンズが濡れる。拭くための柔らかい布を、すぐ取れる所に
- 波に近づいて濡れる・流される。無理をせず、足場の安全を優先
- 結露でレンズが曇る。急な温度差を避け、慣らしてから使う
朝焼け・夕焼け
要点 太陽の周りは明るさの差が大きい。空の色を残すため、暗めに撮る。日の出前後・日没前後が色のピーク。
朝焼けや夕焼けは、空の色が刻々と変わります。太陽が昇る前・沈んだ後の空が、いちばん色が豊かなことがあります。早めに現地に着き、変化を最後まで見届けてください。
準備
- 日の出・日の入りの時刻と方角を、アプリなどで事前に調べる
- 三脚を用意する。暗い時間帯は、手持ちより低ISOで撮れる
- 太陽を長く見ない。とくに望遠レンズ越しにファインダーをのぞき続けると、目を痛めるおそれがある
- 暗くなってからの帰り道に備え、足元を照らす明かりを持つ
設定の目安
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 露出補正 | マイナス0.3〜1.5段程度 | 空の色を濃く残し、白飛びを防ぐ |
| F値 | F8〜F11 | 景色全体をくっきり。太陽に光芒が出ることがある |
| ISO | 100〜400程度(三脚時) | なめらかな空に |
| ホワイトバランス | 晴れ〜曇りに寄せる、またはRAWで | オートだと赤みを弱めることがある(第4章) |
| ピント | 遠くの景色 | 空だけだとAFが迷う。地上の物に合わせる |
構図のコツ
- 地上のシルエット(木・建物・人)を入れると、空の色が引き立つ
- 水面があれば、空の色が映り、画面が色で満ちる
- 空を画面の大きな部分に。太陽は中央から外す(第6章)
- 太陽が沈んだ後も、反対側の空や雲の色が変わる。振り返ってみる
このサイトの実例:F8 以上(大きい F 値)で撮った写真
よくある失敗
- 太陽が白く大きく飛ぶ。露出を下げる・雲や木で太陽を隠す
- 空の色が現場の印象より薄い。ホワイトバランスを固定する・RAWで現像する(第8章)
- 暗くなるまで粘って、帰り道で危険な目に遭う。早めに引き上げる
- 太陽をファインダー越しに長く見続ける。構図を決めたら目を離し、確認は短く

















