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第9章 失敗の直し方・応用

失敗の直し方|症状から原因を見つける辞典

写真の失敗には、たいてい決まった原因があります。この章は、読み通すより「困ったときに引く」ための辞典です。まず原因を見分ける手順を身につけ、症状ごとに、撮影の現場で直せること・撮ったあとで直せることを分けて覚えます。

失敗を直す前に:原因を見分ける3つの確認

要点 「拡大」「ヒストグラム」「撮影情報」の3つを見れば、失敗の原因はほぼ絞れる。当てずっぽうに設定を変えない。

写真がうまくいかなかったとき、いきなり設定を触ると、別の失敗を増やしがちです。先に原因を確かめる習慣をつけると、直すまでの回数が減ります。

  1. 拡大して見る背面モニターで写真を拡大し、どこか1か所でも鋭い線があるかを探します。全体が同じ向きに流れていれば手ぶれ、動いた被写体だけなら被写体ぶれ、一部だけくっきりならピントの位置の問題です。
  2. ヒストグラムを見るヒストグラムは、写真の明るさの分布を山の形で表したグラフです。グラフが左に寄れば暗く、右に寄れば明るい写真です。端にぴったり張り付いていると、黒つぶれや白飛びのおそれがあります。
  3. 撮影情報(シャッタースピード・ISO・F値)を見る再生画面で、撮影情報を表示します。シャッタースピードが手持ちの目安より遅い、ISO が高い、露出補正が残っている、といった原因が数字で見えます。
ヒストグラムの4つの形。左が暗い部分、右が明るい部分。山が左に寄れば暗く、右に寄れば明るい暗い(アンダー)左に寄る標準山が中ほど明るい(オーバー)右に寄るコントラスト高両端に山左端=真っ黒右端=真っ白(白飛び)横軸=明るさ 縦軸=その明るさの量
ヒストグラムの形。左に寄れば暗い、右に寄れば明るい、両端に張り付くとつぶれや飛びの可能性(目安)。
症状の大分類と、先に見る所
症状最初に見る所詳しく読む節
暗い・明るすぎる・白飛び・黒つぶれヒストグラム・露出補正明るさの失敗
ぶれる・ピントが甘い拡大・シャッタースピードぶれとピンボケ
色が変ホワイトバランス・光の種類色の失敗
ざらざら・傾き・ゴミ・白っぽいISO・水平・レンズの汚れ画質とレンズ・センサー
顔が暗い・フラッシュが不自然・ガラスに映り込む光の向き・フラッシュ設定光と場所の失敗
動物・子どもが目を閉じる・動く連写・シャッタースピード生き物の失敗

よくある失敗

  • 原因を確かめずに、複数の設定を一度に変えてしまう。変えるのは1つずつ
  • 背面モニターの小さな表示だけで判断して、帰ってから失敗に気づく

明るさの失敗:暗い・明るい・白飛び・黒つぶれ

要点 ヒストグラムが左に寄れば露出補正を+、右に寄れば−。端に張り付くなら、そこに写る色と形は戻らない。

明るさの失敗の辞典
症状よくある原因現場での直し方
全体が暗い露出補正が−のまま・暗い部屋・シャッタースピードを速くしすぎた露出補正を確かめて+に。ISO を上げる・F値を小さくする
全体が明るすぎる露出補正が+のまま・明るい場所でシャッターを遅くしている露出補正を−に。ISO を下げる・F値を大きくする
空が真っ白(白飛び)空と地面の明るさの差が大きい露出補正を−にして撮る。ヒストグラムの右端を確かめる
影が真っ黒(黒つぶれ)暗い部分に露出が合っていない露出補正を+に。明るい場所へ移る・光を足す
雪や白い壁が灰色に写るカメラは白をグレーに寄せて合わせる傾向がある露出補正を+1 段前後にする(目安)
黒い被写体が明るく浮く同じ理由で、暗い被写体は明るく補正される傾向がある露出補正を−にする(目安)
露出の梯子。F値・シャッター・ISO を1つ隣へ動かすと、光の量が2倍または半分になる(1段)左ほど暗い → 右ほど明るく写る(F値は小さいほど明るい)F値F8F5.6+1段F4+1段F2.8+1段F2+1段シャッター1/1251/250+1段1/500+1段1/1000+1段1/2000+1段ISO800400+1段200+1段100+1段50+1段
露出の「段」の梯子。暗さ・明るさは、絞り・シャッタースピード・ISO のどれかを「段」で動かして直す(目安)。

白飛びと黒つぶれは、直し方の考え方が違います。真っ白に飛びきった部分は、データが無いので、後から戻せません。わずかに飛んだ程度なら、RAW で戻せることがあります。黒つぶれは、後から持ち上げると色や形が出ることがありますが、ざらつきが増えます。

空と地面の差が大きいときは、選択肢が3つあります。空に合わせて地面を暗く写す、地面に合わせて空を飛ばす、露出を変えて何枚か撮って合成する(HDR)、のどれかです。「どちらを残すか」を撮る前に決めるのがコツです。

  1. ヒストグラムの端を見る右端に高い山が張り付いていれば、白飛びの可能性が高いです。1段ずつ露出補正を−にして撮り直します。
  2. それでも足りなければ、場所か向きを変える空を画面から少し外す、雲のある側を選ぶ、時間帯をずらす(第4章)、といった方法があります。
  3. 残しておきたいなら、RAW で撮るRAW は JPEG より、明るい部分・暗い部分のデータが残りやすく、現像で調整できる幅が広くなります。

よくある失敗

  • 露出補正を+にしたまま別の場所で撮り続け、全部が明るすぎる。撮る前にゼロに戻す習慣をつける
  • 白飛びを恐れて暗く撮りすぎ、あとで大きく持ち上げてざらつく

ぶれとピンボケ:見分けて、直す

要点 まず拡大して、ぶれの種類を見分ける。手ぶれ・被写体ぶれはシャッタースピード、ピンボケはピント位置。

どちらも「甘い写真」に見えますが、直し方が違います。見分け方の詳しい表は第2章、速さの目安は第3章にあります。ここでは、症状から引けるようにまとめ直します。

甘い写真の辞典
見た目原因直し方
全体が同じ向きに二重に流れる手ぶれシャッタースピードを手持ちの目安より速く。脇を締め、そっと押す
動いた被写体だけが流れる被写体ぶれシャッタースピードを上げる。ISO を上げる
目ではなく、鼻や耳にピントが合うピント位置のずれ・浅い被写界深度AF エリアを狭くして目に合わせる。少し絞る
背景にピントが合っているAF が背景を拾ったスポットで被写体に合わせる。コントラストのある所を狙う
どこにも合わない・AF が迷う暗い・近すぎる・コントラストが低い明るい所へ。下がってから撮る。MF に切り替える
ピントは合っているが、全体がもやっとするレンズの汚れ・絞りすぎ・逆光でコントラストが落ちたレンズを拭く。F16 以上に絞りすぎない。フードを付ける
手持ちで手ぶれしにくいシャッタースピードの目安。焦点距離の分の1秒より速く(フルサイズ換算)焦点距離(フルサイズ換算)と、手持ちの目安シャッター(これより速く)24mm1/30 秒50mm1/60 秒100mm1/125 秒200mm1/250 秒手ぶれ補正があれば数段ぶん余裕がある(効き方は機種で違う)
手持ちの目安。シャッタースピードを「1 ÷ 焦点距離」秒より速く(35mm判換算)。ぶれたら、まずこれより遅くなっていないか確かめる。

ピントが外れる失敗は、撮影後に直せません。シャッターを押す前に、ピント枠が狙った場所に載っているか、半押しで合焦の合図が出たかを確かめる習慣が、一番の予防になります。

近距離のポートレートでは、半押しのまま構図を変えるとピント面がずれることがあります。枠そのものを目に動かして撮る方が確実です。

よくある失敗

  • ぶれなのにピント設定をいじり続ける。まず拡大して、種類を見分ける
  • 暗い場所で ISO を低く固定し、遅いシャッターのまま撮る
  • 最短撮影距離より近づいて、AF が合わない。少し下がる

色の失敗:色が変・色かぶり

要点 色が変なときは、まず光の種類とホワイトバランスを疑う。RAW で撮っておけば、あとで直しやすい。

光には色があり、白熱灯は赤っぽく、日陰は青っぽくなります。人の目は自動で補正しますが、カメラはホワイトバランス(白を白に写す調整)で補います。この調整が光に合っていないと、色かぶりが起きます。詳しくは第4章で扱います。

光の色温度の目安。低いほどオレンジ、高いほど青っぽい約2000Kろうそく約3000K電球約4000K朝夕の日の光約5500K昼の日なた約6500Kくもり約8000K日陰オレンジっぽい(低い)青っぽい(高い)ホワイトバランスは、この色を「白」に見えるよう打ち消す設定
色温度の目盛り。数字が低いほど赤っぽく、高いほど青っぽい光(目安)。
色の失敗の辞典
症状よくある原因直し方
全体がオレンジ色電球色の照明・オートがあえて雰囲気を残したホワイトバランスを電球にする、または色温度(K)の設定を下げる(設定は、光の色温度に数字を合わせる)
全体が緑っぽい蛍光灯・水銀灯などの光ホワイトバランスを蛍光灯にする。RAW で現像時に調整
全体が青い日陰・曇り・雪の日・日の出前や日没後の青い時間帯ホワイトバランスを日陰・曇りにする。色温度(K)の設定を上げる
肌が赤い・黄色い壁や床の反射光・照明の色ホワイトバランスを見直す。壁の白い場所へ移る
同じ場面で、写真ごとに色が違うホワイトバランスがオートのまま、構図で変わるホワイトバランスを固定する。RAW で撮る
場所によって色が違う窓の光と室内灯が混ざったどちらかを消す・被写体をどちらかの光に寄せる。フラッシュで揃える
  1. 光の種類を確かめる窓から入る光か、室内灯か、日陰か。光が混ざっていないかを見ます。
  2. ホワイトバランスを光に合わせるオートで違和感があれば、晴れ・日陰・電球などを選びます。名前や項目はメーカーで違います。
  3. 撮って、白いものが白く見えるか確かめる紙・壁・雲など、白いものが白く写っているかを見ます。
  4. RAW で撮り、現像で整えるRAW なら、撮ったあとにホワイトバランスをやり直せます。JPEG より、直せる幅が大きくなります。

よくある失敗

  • 夕焼けをホワイトバランスで「補正」して、色が消える
  • 混ざった光の下で、どちらにも合わない設定を選ぶ。どちらかの光に寄せる

画質とレンズ・センサー:ノイズ・傾き・ゴミ・ゴースト

要点 ざらざらは光不足、傾きは水平の確認不足、点々はゴミ。どれも原因は決まっていて、現場の習慣で防げる。

画質まわりの失敗の辞典
症状原因直し方
ざらざら・まだら(ノイズ)ISO が高い・暗く撮って持ち上げた光を足す・F値を小さくする。ISO を下げられる範囲でぶれない速さに。現像でノイズ低減
水平線が傾く構えの傾きグリッド線や電子水準器を出す。現像でまっすぐに切り抜く
建物が上すぼまりに倒れ込む上を向けて撮った広角水平に構える。離れて撮る。現像で補正
同じ位置に点が写るセンサーやレンズの汚れ・ゴミブロアー(空気を吹く道具)で飛ばす。清掃モードを使う。落ちなければ販売店や修理窓口へ(第10章)
白っぽく、コントラストが低い逆光でレンズに光が入った・レンズの汚れフードを付ける。位置を少しずらす。レンズを拭く
光の筋や丸い光(フレア・ゴースト)強い光がレンズ内で反射したフードを付ける。画面から光源を外す。フィルターを外す

このサイトの実例:ISO 1600 以上で撮った写真

傾きは、人が見るとすぐに気づく失敗です。海や湖など、水平線がはっきりしている場面ほど目立ちます。撮る前にグリッド線を表示し、ずれたら現像でまっすぐに直します。切り抜くぶん周囲が欠けるので、撮るときに少し余白を持たせておきます。

ゴミは、F値を大きくして(F11 以上)、空や白い壁を撮ったときに目立ちやすくなります。レンズを替えても同じ位置に写るなら、センサー側の汚れの可能性があります。

よくある失敗

  • ノイズを避けようと ISO を低く固定して、ぶれた写真を量産する
  • 傾きを切り抜きで直すつもりで、端ぎりぎりに被写体を置いてしまう
  • レンズの指紋に気づかず、全体がもやっとした写真を撮り続ける。撮る前に拭く

光と場所の失敗:逆光・フラッシュ・ガラス越し

要点 逆光で顔が暗いのは、カメラが明るい背景に合わせるから。測光・露出補正・光を足す、のどれかで直す。

光の向き。順光は被写体の正面、サイド光は横、逆光は後ろから光が当たる順光後ろから当たるサイド光横から当たる逆光向こうから当たる
光の向き。逆光は、背景が明るく、手前の被写体が暗くなりやすい(目安)。
逆光で顔が暗いときの直し方(上から順に試す)
方法やり方向く場面
露出補正を+にする+1〜+2 段ほど(目安)。背景は明るくなるとっさの場面。背景が白く飛んでもよいとき
スポット測光で顔に合わせる画面のごく狭い範囲で明るさを測り、顔を基準に露出を決める人物をはっきり見せたいとき
向きを変える光を斜めや横から当てる位置へ動く余裕があるとき。一番自然
レフ板や白い壁で光を返す顔の側に白い面を置く三脚と同行者がいるとき
フラッシュを少し当てる昼間でも、弱く足して影を起こす(日中シンクロ)背景も残したいとき
シルエットにする顔を暗いままにして、形で見せる夕焼けなど、表現として使うとき

フラッシュが不自然に見えるのは、正面から強く当たって影が平らになり、背景だけが暗く落ちるためです。直す考え方は、光を柔らかくすること、強さを下げること、背景の光を残すことの3つです。

フラッシュの失敗の辞典
症状原因直し方
顔がてかる・白く飛ぶ近くから強く当てた発光量を下げる(フラッシュ調光補正を−)。距離を取る
背景が真っ暗フラッシュの光が届く範囲だけ明るいシャッタースピードを遅めにして背景を取り込む(スローシンクロ)。ISO を上げる
影が硬く壁に出る正面から直接当てた天井や壁に向けて反射させる(バウンス。首が動く外付けフラッシュの場合)。ディフューザーを付ける
赤目暗い所で瞳孔が開き、光が目の奥で反射した赤目軽減を使う。部屋を明るくする。バウンスする
動物の目が光る目の奥の反射直接当てない。光を斜めから入れる

ガラス越しは、映り込みとピントの2つが課題です。

  1. ガラスにレンズを近づけるレンズ先端をガラスに軽く当てると、映り込みを減らせます。傷つけないよう、ゴムのフードを使うか、そっと近づけます。
  2. 暗い色の服や布で、背後の光を遮る自分の影や黒い布で、後ろからの光をガラスに当てないようにします。
  3. フラッシュは切るガラスに反射して、白い光が写り込みます。ISO を上げて対応します。
  4. ピントは MF かスポットでAF がガラスの汚れや反射に合ってしまうことがあります。奥の被写体に合わせます。
  5. PL フィルターを試す反射を減らす偏光フィルターで、映り込みが弱まることがあります。角度によって効果は変わります。

よくある失敗

  • 逆光で顔を明るくしたら、背景が真っ白になった。どちらを優先するか決めてから補正する
  • 暗い場所で何も考えずに内蔵フラッシュを使い、背景が真っ暗で顔だけ白い写真になる
  • フラッシュ禁止の場所で、気づかずに発光させてしまう

生き物の失敗:目を閉じる・動く・合わない

要点 目を閉じる・動く失敗は、枚数で解決する。連写、速いシャッター、撮る位置を変える。

人・動物の失敗の辞典
症状原因直し方
集合写真で、誰かが目を閉じる瞬きは1人ひとりに起こる同じ構図で多めに撮る。「せーの」の少し前から連写。撮影者の声かけを工夫する
動物が目を閉じる・下を向くまぶしい・音に反応した日陰で撮る。あらかじめ気を引かず、連写で数枚。目の高さで
子どもが動いてぶれるシャッターが遅い1/500 秒前後以上。連写と AF-C
ペットの目が光って緑や赤目の奥の反射フラッシュを使わない。部屋を明るくして ISO を上げる
動物の顔が暗い毛が黒い・逆光露出補正を+にする。スポット測光を顔に合わせる
動物の目に合わない毛や柵にピントが拾われたAF エリアを小さく。目の検出が使えれば ON に

人物の撮影は、枚数を撮ることで失敗が減ります。同じ構図で、表情が変わる前後の数枚を連続して撮り、あとから選びます。集合写真では、一回で決めようとせず、3〜5枚を続けて撮ります。人数が多いほど、枚数を増やします。

このサイトの実例:1/1000 秒より速いシャッターで撮った写真

よくある失敗

  • 目を閉じた写真を見て、その1枚で諦める。連写の前後の別のコマを確かめる
  • ペットにフラッシュを近くから当てる。目の負担になることがあり、目も光る

設定の戻し忘れ:いちばん多い「原因不明」

要点 「急に変な写真ばかり撮れる」ときは、前回の設定が残っていることが多い。撮影前に5つだけ確認する。

失敗の原因が、撮影の技術ではなく、前回の設定の残りであることはよくあります。前の日の夜景の設定のまま、明るい昼に撮ってしまった——というような失敗です。

撮影前に見る設定(呼び名や場所はメーカーで違う)
確認する所残っていると起きること
露出補正全部の写真が暗い、または明るい
モードダイヤル(M・S・A など)明るさが合わない・ぶれる
ISO(固定になっていないか)暗い所でぶれる・昼にざらつく
ホワイトバランス全体の色がずれる
フォーカスモード(AF・MF)、AF エリアピントが合わない・背景に合う
ドライブ(連写・セルフタイマー・ブラケット)シャッターを押しても遅れて切れる・連写になる
画質(RAW/JPEG・サイズ)あとで調整できない・小さい画像で保存される
レンズ側のスイッチ(AF/MF・手ぶれ補正)AF が動かない・補正が効かない
  1. 電源を入れたら、モードと露出補正を見るダイヤルと、ゼロの位置にあるかを見ます。
  2. ISO とホワイトバランスを見るISO AUTO と、AWB(オート)にしておくと、大きくは崩れにくくなります。
  3. 試しに1枚撮って、拡大するピント・ぶれ・明るさを一度に確かめます。ここで違和感があれば、設定を疑います。
  4. 撮影後、設定を元に戻す夜景や三脚の設定のまま片付けないよう、終わりに戻す習慣をつけます。

よくある失敗

  • 前回の夜景の設定のまま昼に撮り、白飛びだらけの写真になる
  • セルフタイマーが残っていて、押してもすぐ切れず、決定的な瞬間を逃す

この章のまとめ

  • 失敗を直す前に、拡大・ヒストグラム・撮影情報の3つで原因を見分ける。設定は1つずつ変える。
  • 暗い・明るいは露出補正とヒストグラムで直す。白飛びは戻らないので、撮るときに防ぐ。
  • ぶれは速さ、ピンボケは位置。拡大して種類を見分けてから直す。
  • 色がおかしいときは、光とホワイトバランスを確かめる。RAW で撮ると、あとで直せる幅が大きい。
  • 逆光・フラッシュ・ガラス越しは、光の向きと当て方を変えるのが基本。禁止の場所や安全にも気をつける。
  • 原因不明の失敗は、前回の設定の戻し忘れから疑う。撮影前の5つの確認を習慣にする。

外で撮ってみる(練習)

  1. 練習 1自分の失敗写真を3枚、分類する

    最近の写真から失敗を3枚選び、この章の表で「症状・原因・直し方」を書き出します。次の撮影で、直し方を1つ試しましょう。

  2. 練習 2ヒストグラムと露出補正を試す

    同じ場面を、露出補正 −1・0・+1 で撮ります。ヒストグラムの形と写真の明るさの変わり方を見比べます。

  3. 練習 3逆光で顔を起こす

    窓や太陽を背にして人物を撮り、露出補正+1・スポット測光・向きを変える、の3つで撮り比べます。

  4. 練習 4ガラス越しを撮る

    ショーウインドウや水槽で、レンズを近づける・影を作る・フラッシュを切る、を試します。映り込みの減り方を見ます。

確認クイズ

Q1撮った写真を拡大すると、全体が同じ向きに二重に流れている。原因として最も考えられるのは?

解説 全体が同じ向きに流れているときは、カメラが動いた手ぶれの可能性が高いです。シャッタースピードを手持ちの目安より速くします。

Q2雪の風景が灰色っぽく暗く写った。まず試すのは?

解説 カメラは白い広い面を、標準の明るさ(灰色寄り)に合わせようとします。露出補正を+にして明るくします。

Q3逆光で人物の顔が暗い。画面の中で、顔を明るくするために有効な手段はどれ?

解説 背景が明るいと、カメラは全体を暗くします。顔の明るさを基準にしたり、露出補正を+にしたり、光を足したりして、顔に露出を合わせます。

Q4フラッシュで撮ったら、顔は明るいが背景が真っ暗。直し方として適切なのは?

解説 フラッシュの光は、近くの被写体にしか届きません。シャッタースピードを遅めにすれば、背景の光も写ります(スローシンクロ)。そのぶん手ぶれにも気をつけます。

Q5すべての写真が急に暗くなった。最初に疑うのは?

解説 急に変わった失敗は、前回の設定が残っていることが多いです。まず露出補正とモードダイヤル、ISO を確かめます。

よくある質問

ぶれた写真や、ピントが外れた写真は、後から直せますか?

ソフトでシャープにして見た目をいくらか良くはできますが、本当の意味では直りません。ぶれやピンボケは、撮影の現場で防ぐのが基本です。

白飛びした写真は、RAW なら完全に戻りますか?

わずかに飛んだ程度なら、RAW のほうが戻せることがあります。ただし、真っ白に飛びきった部分のデータは無く、戻りません。RAW でも、撮るときの露出が大切です。

同じ失敗を繰り返します。どうすれば減りますか?

失敗した写真を残して、あとで「症状・原因・次にやること」を一言メモに書くと、同じ失敗が減ります。撮影前の5つの確認を習慣にするのも効果的です。