Journey Photo

第3章 動き・基礎

動きを写す|止める・流す・ぶらさない

動くものは、止めて写すことも、流して写すこともできます。どちらにするかは、撮る前に自分で決められます。この章を読み終えると、「この動きなら何秒で撮るか」「ぶれたとき何を直すか」を、迷わず言えるようになります。

動きの写り方は「速さ・向き・距離」で決まる

要点 止めたいなら速く、流したいなら遅く。ただし何秒にするかは、被写体の速さだけでなく、動く向きと距離でも変わる。

シャッタースピードの基本は第1章で触れました。ここでは一歩進めて、「結局、何秒にすればよいのか」を決める考え方を整理します。

同じ速さで走る人でも、止まって写るか、ぶれて写るかは条件で変わります。見るポイントは3つです。

動きが止まりやすい条件・止まりにくい条件(目安)
見るもの止まりやすい止まりにくい(もっと速いシャッターが要る)
動く向きこちらへまっすぐ向かってくる目の前を横切る
被写体までの距離遠くて小さく写る近くて大きく写る
焦点距離広角(画面の中の動きが小さい)望遠(画面の中の動きが大きく見える)
同じ速さで動く被写体のシャッタースピード別の写り方。速いと止まり、遅いと流れた線になる1/1000 秒止める1/60 秒少し流れる1/4 秒大きく流れる右へ動く被写体(目安)
シャッタースピードと動きの写り方。速いと動きが止まり、遅いと動きの方向に流れる(目安)。

速さの調整は「段」で考えます。1/125 秒から 1/250 秒は1段速く、1/500 秒はさらに1段速くなります。写真がまだぶれているなら、まず1段、それでも足りなければもう1段、と順に上げていきます。

  1. 止めるか、流すかを先に決める「この瞬間をくっきり残したい」のか「動きの勢いを見せたい」のか。ここが決まらないまま設定を触ると、中途半端なぶれ方になりやすくなります。
  2. 目安の速さから始めるこのあとの表の値から始めます。止めたいときは、迷ったら少し速めを選びます。
  3. 1枚撮って、拡大して確かめる背面モニターで拡大し、動いている部分の輪郭を見ます。ぶれが残っていれば1段速く、止まりすぎて勢いが無いと感じたら1段遅く。

「全部を止める」だけが正解ではありません。たとえば、走る人の体は止めて、足元の砂ぼこりや手の先だけ少し流す、という写し方もあります。止めすぎると、動いていたことが伝わらない写真になることがあります。

よくある失敗

  • 表の値を「その速さなら必ず止まる」と受け取る。条件で変わるので、必ず拡大して確かめる
  • 目の前を横切る近い被写体を、遠くの被写体と同じ速さで撮ってぶれる

手ぶれを防ぐ:速さ・構え方・補正

要点 手持ちは「1 ÷ 焦点距離」秒より速く。そのうえで、脇を締めて構え、ボタンはそっと押す。

手ぶれは、カメラ自身が揺れたせいで、画面全体が同じ向きに流れる現象です。動く被写体のぶれ(被写体ぶれ)とは別物で、見分け方は第9章の辞典にまとめています。

手持ちで手ぶれしにくいシャッタースピードの目安。焦点距離の分の1秒より速く(フルサイズ換算)焦点距離(フルサイズ換算)と、手持ちの目安シャッター(これより速く)24mm1/30 秒50mm1/60 秒100mm1/125 秒200mm1/250 秒手ぶれ補正があれば数段ぶん余裕がある(効き方は機種で違う)
手持ちで撮るときの目安。シャッタースピードを「1 ÷ 焦点距離」秒より速くする(35mm判に換算した焦点距離)。
焦点距離ごとの手持ちの目安(35mm判換算・手ぶれ補正なしの場合)
焦点距離シャッタースピードの目安
24mm(広角)1/30 秒より速く
50mm(標準)1/60 秒より速く
100mm1/125 秒より速く
200mm(望遠)1/250 秒より速く
400mm(超望遠)1/500 秒より速く

この目安は昔からの経験則で、人や条件で変わります。画素数が多いカメラは小さなぶれも見えやすいので、目安より1段速くすると安心です。センサーが小さいカメラは、35mm判に直した焦点距離で考えます(第5章)。逆に、手ぶれ補正があれば、目安より遅くても止まることがあります。

  1. 足を肩幅に開き、脇を締める肘を体に付けると、腕が一本の支えになります。座れる場所なら、膝に肘を乗せるとさらに安定します。
  2. 左手でレンズを下から支える手のひらにレンズを乗せるイメージで。ファインダーがあれば額に軽く当てて、3点で支えます。
  3. 息を軽く吐いて止め、ボタンはそっと押す半押しでピントを合わせてから、指でゆっくり押し込みます。「叩く」と揺れます。
  4. 近くの支えを使う壁・手すり・テーブルに体やカメラを寄せるだけで、ぶれにくくなることがあります。

よくある失敗

  • 撮影後の小さな表示では気づかず、パソコンで見て初めてぶれに気づく。撮ったその場で拡大する
  • シャッターボタンを強く押し込み、その反動でぶれる
  • 「手ぶれ補正があるから大丈夫」と、被写体が動く場面でも遅いシャッターで撮る

被写体ぶれ:動くものを止める速さ

要点 手ぶれ補正では被写体ぶれは止まらない。止めるには、被写体に合わせてシャッタースピードそのものを上げる。

カメラがぴたりと止まっていても、被写体が動けばぶれます。しかも、ピントは合っているのにピンボケに見えるので、原因を取り違えやすいぶれです。

被写体別のシャッタースピードの目安(目の前を横切る場合・距離と焦点距離で変わる)
被写体止めたいときの目安ひとこと
ゆっくり歩く人1/250 秒手を振る・髪が揺れるときは少し速めに
走る人・遊ぶ子ども1/500〜1/1000 秒ボールを蹴る瞬間などは速めに
走る犬・猫の動き1/1000 秒より速く跳ぶ瞬間は特に速く
自転車1/500〜1/1000 秒ペダルの脚まで止めたいなら速めに
走る電車・自動車1/1000 秒より速く近くを通るほど速く
飛ぶ鳥1/2000 秒以上羽ばたきまで止めるには、これくらいを目安にすることが多い

この速さを確保する方法は4つあります。上から順に試すのが一般的です。

  1. 撮影モードをシャッター優先(S・Tv)にして、速さを自分で決める。明るさはカメラが F値で合わせる
  2. F値を小さくして(絞りを開けて)、光を多く取り込む
  3. ISO 感度を上げる。ISO AUTO にして、「これより遅くならない速さ」を決められる機種なら設定する(呼び名と設定場所はメーカーで違う)
  4. それでも足りなければ、少し被写体から離れるか、被写体が動く向きを変えてもらう

このサイトの実例:1/1000 秒より速いシャッターで撮った写真

よくある失敗

  • ISO を 100 に固定したまま、暗い体育館でシャッターが遅くなってしまう
  • 撮る前に設定を決め込み、被写体が予想より速くて止まらない。撮り始めの数枚で拡大して確かめる
  • ピントが合っているのに甘いと思い、原因をピントだと決めつけて直す

流し撮り:被写体を止めて、背景を流す

要点 カメラを被写体と同じ速さで振りながら、遅めのシャッターで撮る。被写体はくっきり、背景は横に流れて、スピード感が出る。

流し撮りは、被写体を追いかけてカメラを動かすことで、被写体に対して背景が流れる効果を作る撮り方です。成功率が高くない撮り方なので、最初は「数十枚撮って数枚よければ成功」と考えると気が楽になります。

流し撮りのシャッタースピードの目安(被写体の速さ・距離で変わる)
被写体目安ひとこと
歩く人・ゆっくりの自転車1/30〜1/60 秒最初の練習に向く
走る自転車・バイク1/60〜1/125 秒背景の流れ方で調整
電車・自動車1/60〜1/250 秒速い被写体ほど、速めでも背景が流れる
  1. 設定を決めるシャッター優先(S・Tv)で上の目安から。AF はコンティニュアス(AF-C・SERVO)、連写を ON にします。ISO は低めで、明るすぎるときは F値を大きくします。
  2. 背景を選ぶ縦の線や色の違いのある背景は、流れた線が見えて効果が出ます。無地の壁だと、流れていることが伝わりにくくなります。
  3. 体を構える足を、被写体が通る位置に向けて肩幅に開き、腰から上を回して追います。腕だけで追わないことが安定のコツです。
  4. 被写体が来る前から追い始めるピント枠を被写体に載せ、同じ速さで振り続けます。半押しでピントを合わせたまま、ちょうど正面に来るあたりで押します。
  5. 押したあとも振り続けるシャッターを押した瞬間に止めると、そこで揺れます。画面から被写体が出ていくまで振り切ります(フォロースルー)。

機種によっては、流し撮り用の手ぶれ補正モードがあります。縦方向の揺れだけを補正して、横の振りを邪魔しにくくする仕組みが多いです。呼び名や有無はメーカーで違います。

よくある失敗

  • 遅くしすぎて、被写体まで流れてしまう。1/30 秒で失敗が続くなら 1/60〜1/125 秒に上げる
  • 被写体を追うのを、押す瞬間で止めてしまう
  • 背景が無地で、流し撮りの効果が出ない

長秒露光:水・光・雲をなめらかに

要点 三脚でカメラを固定し、数秒以上シャッターを開ける。動くものは流れ、動かないものはくっきり残る。

シャッターを数秒以上開けて撮るのが長秒露光です。滝や川が絹のようになめらかになり、夜の道路では車の光が線になります。人の目では見えない写真になるのが魅力です。

長秒露光の場面別の目安(光の量で大きく変わる)
場面シャッタースピード準備
滝・川(なめらかに)1/2 秒〜数秒日中は光が多いので、ND フィルターや PL を使う
夜の車の光を線に数秒〜30 秒ISO を下げ、F8 前後に絞る
花火数秒〜十数秒(バルブ)ピントは先に遠くへ合わせ、MF で固定する
雲の流れ・人混みを消す数十秒〜数分強い ND フィルターが要る
露出の梯子。F値・シャッター・ISO を1つ隣へ動かすと、光の量が2倍または半分になる(1段)左ほど暗い → 右ほど明るく写る(F値は小さいほど明るい)F値F8F5.6+1段F4+1段F2.8+1段F2+1段シャッター1/1251/250+1段1/500+1段1/1000+1段1/2000+1段ISO800400+1段200+1段100+1段50+1段
露出の「段」の梯子。ND フィルターは、光を段ごとに減らしてシャッターを遅くするための道具(目安)。

日中に長く開けたいときは、レンズの前に付ける ND フィルター(色のつかないサングラスのように光を減らすもの)を使います。表記は ND8・ND1000 のように数字が大きいほど暗く、ND8 で約3段、ND1000 で約10段ぶん光を減らす、というのが一般的な目安です(ND0.9 のような濃度の表記もあり、メーカーで違います)。

  1. 三脚を立て、カメラを固定する風で揺れない低い高さ・安定した地面を選びます。ストラップが風でバタつかないよう、まとめておきます。
  2. ISO を最低に、F値を F8〜F11 にISO を最低にしてノイズを減らし、F値を絞って、シャッターを遅くできる余裕を作ります。
  3. ピントを合わせてから MF にするライブビューを拡大して確かめます。暗くて AF が迷う場面は、最初から MF で。
  4. セルフタイマー(2 秒)かリモコンで撮るボタンを押した指の揺れが、そのまま写真に出るのを防ぎます。
  5. 撮って、明るさと白飛びを確かめるヒストグラムで確認し、明るければ秒数を短く、暗ければ長く。カメラの最長(多くは 30 秒)を超えるときは、バルブ(B。ボタンを押している間、シャッターが開き続ける設定)を使います。

このサイトの実例:1/15 秒より遅いシャッターで撮った写真

よくある失敗

  • 滝の白い水が白飛びする。少し暗めに撮り、ヒストグラムの右端が壁に当たらないようにする
  • 手ぶれ補正を入れたまま三脚で撮り、かえってぶれることがある。機種によって切る指定があるので、説明書を確かめる
  • 一眼レフなどで、ファインダーから入る光で写真が明るくなることがある。接眼部にカバーが付く機種では、日中の長秒で付けると安心
  • 三脚の使用が禁止されている場所で立ててしまう。事前にルールを確かめる

連写とタイミング:決定的瞬間を逃さない

要点 動きのピークを予測して、少し早めに連写を始める。撮ったあとの選び方まで決めておくと、続けやすい。

シャッターを押してから実際に写るまでに、わずかな遅れ(タイムラグ)があります。さらに人間の反応にも遅れがあるので、「見えた瞬間に押す」と、決定的な瞬間は少し過ぎていることが多くなります。連写は、この遅れを埋めてくれます。

連写の使い分け(呼び名と有無はメーカー・機種で違う)
モードどんな動き向く場面
低速連写1秒に数枚歩く人・子どものスナップ
高速連写1秒に十枚以上の機種もあるスポーツ・鳥・動物
AF追従つき連写連写中もピントを合わせ続ける(AF-C と組み合わせる)動く被写体全般
プリ連写シャッターを押す少し前からの数枚も記録する予測しにくい動物・鳥の飛び立ち
  • 連写で撮れる枚数には限りがあります。カメラ内のメモリー(バッファ)が一杯になると、書き込みが終わるまで連写が遅くなったり止まったりします。RAW や高画素では、早くいっぱいになることがあります。
  • 電子シャッターは静かで高速連写に向く機種がありますが、速い動きが歪んで写る(ローリングシャッター)、蛍光灯や LED の下で横縞が出る、ことがあります。
  • 動きのピークを予測しましょう。ボールが当たる瞬間・鳥が羽を広げた瞬間・犬が跳ぶ頂点——その少し手前から連写を始めます。
  1. 撮影の直後に、1回見直すぶれているもの・ピントが外れたものを先に外します。枚数が増える前にやるほど楽です。
  2. 同じ瞬間のかたまりから、1枚だけ選ぶ表情・姿勢・ピントが揃った1枚を選び、似た写真は残しすぎないようにします。
  3. 残す写真に印を付けるカメラ内の星印やパソコンの評価を使うと、あとで探しやすくなります。

よくある失敗

  • 連写しっぱなしでバッファが詰まり、本当の瞬間に切れて撮れない。ピークの直前からにする
  • ずっと連写して枚数が増え、選び切れずに放置する
  • 電子シャッターで、蛍光灯・LED の下で縞が出る。縞が出る場面では切り替える

スポーツ・動物・乗り物の撮り方

要点 どの場面も「AF-C・速いシャッター・連写」が土台。そのうえで、場所ごとの条件に合わせて足す。

動きのある場面の設定のたたき台(目安)
場面AF・モードシャッタースピードコツ
屋外スポーツAF-C・S/Tv・連写1/1000 秒前後望遠で、動きの先を予測してピント枠に入れ続ける
体育館・屋内競技AF-C・ISO AUTO1/500 秒前後を保つ暗いので、ISO は高くなってもよい
動物園・ペットAF-C・目の検出1/500〜1/1000 秒目線の高さに合わせると表情が出る
走る電車・車AF-C・連写1/1000 秒前後来る向きとピント位置を決め、通過を待つ
飛行機・ヘリAF-C機体は 1/1000 秒前後プロペラやローターは遅めにすると回転が見えることがある

スポーツでは、望遠レンズで離れた位置から撮ることが多くなります。撮影できる場所・使える機材の決まりは大会や施設で違うので、先に確認しておきます。

動物は、目にピントが合うと印象が大きく変わります。動物園で柵やガラス越しに撮るときは、レンズを柵に近づけて F値を小さくすると、手前の柵がぼけて目立たなくなることがあります。

乗り物は、通る位置があらかじめ分かるので、ピントを置く場所と構図を決めて待つ撮り方が向きます。電車なら、駅や公共の場所のルールを守り、線路の近くには出ません。

このサイトの実例:焦点距離 135mm 以上(望遠)で撮った写真

よくある失敗

  • ピント枠が背景に外れ、被写体がぼける。ゾーンを使うか、被写体を画面の大きめの位置に置く
  • 動物園のガラスにフラッシュを使い、光が反射して写る。フラッシュは切り、ISO を上げて撮る

手ぶれ補正と三脚:使いどころを知る

要点 手ぶれ補正は手持ちの味方で、被写体の動きは止められない。三脚は、遅いシャッターを使うための道具。

手ぶれ補正(IS・VR・OIS など呼び名はメーカーで違う)は、カメラの揺れを打ち消す仕組みです。レンズの中で行うもの、カメラ本体のセンサーを動かして行うもの、画像処理で行うもの(動画でよく使われる)があり、組み合わせて使う機種もあります。

手ぶれ補正が効くもの・効かないもの
効く効かない
手持ちでの小さな揺れ動く被写体のぶれ(被写体ぶれ)
暗い場所で、遅めのシャッターを使いたいとき大きく動かしすぎたとき・歩きながらの撮影
望遠での微細な揺れすでに十分速いシャッターで撮るときは、効果が小さいことがある

三脚の役割は、手ぶれ補正の限界を超えて、数秒以上のシャッターや、同じ構図で撮り直す場面を支えることです。

  1. 脚は、太い段から先に伸ばす細い段ほど揺れやすいので、必要な高さになるまで、太い段から順に使います。
  2. センターポールは、なるべく上げないポールを上げるほど先端が揺れやすくなります。高さが足りないときは、脚を伸ばします。
  3. 風が強いときは、重りを吊るすカメラバッグを中心のフックに吊るすと安定します。バッグが揺れて脚に当たらないようにします。
  4. 雲台をしっかり締めて、レバーを確かめる構図を決めたら雲台を締め、カメラ側のプレートが緩んでいないか見ます。
  5. セルフタイマーかリモコンを使うボタンを押す指の揺れも、遅いシャッターではそのまま写ります。

三脚が使えない場所では、壁・手すり・荷物を支えにしたり、手のひらサイズのミニ三脚や、豆の袋(ビーンバッグ)を使う方法もあります。

よくある失敗

  • 手ぶれ補正を過信して、遅いシャッターで動く被写体を撮る
  • 三脚を立てたまま、強い風を受けて揺れる。重りと、低い高さで対処する
  • 三脚を緩く締めて、撮影中にカメラが傾く

この章のまとめ

  • 動きの写り方は、シャッタースピードだけでなく、被写体の速さ・向き・距離で決まる。まず止めるか流すかを決めてから選ぶ。
  • 手持ちは「1 ÷ 焦点距離」秒より速く。構え方と、ボタンの押し方も手ぶれを減らす。
  • 被写体ぶれは、手ぶれ補正では止まらない。S/Tv で速さを決め、ISO を上げてでも確保する。
  • 流し撮りは 1/30〜1/125 秒が出発点。足を固定して腰から回し、押したあとも振り続ける。
  • 長秒露光は三脚・低い ISO・リモートが基本。日中は ND フィルターで光を減らす。
  • 連写は動きのピークの少し手前から。バッファの限界と、撮ったあとの選び方まで決めておく。

外で撮ってみる(練習)

  1. 練習 1同じ動きを、速さを変えて4枚

    歩く人や走る犬を、1/60・1/250・1/500・1/1000 秒で撮ります。拡大して、輪郭がくっきりする速さを見つけましょう。

  2. 練習 2手持ちの限界を探す

    標準の焦点距離で、動かないものを 1/15・1/30・1/60・1/125 秒で各3枚撮ります。何秒から安定してくっきりするかが、自分の「手ぶれしない速さ」です。

  3. 練習 3流し撮りを50枚

    歩く人や自転車を、1/30〜1/60 秒の流し撮りで連続して撮ります。成功した枚数を数え、足の置き方を変えて、もう50枚。

  4. 練習 4流れる水を撮る

    三脚(またはしっかりした台)とセルフタイマーで、噴水や小川を 1/250 秒・1/4 秒・1 秒で撮り比べます(明るすぎて遅くできないときは、日陰か夕方に)。水の見え方の違いを確かめます。

確認クイズ

Q150mm のレンズ(35mm判換算)で手持ちの撮影。手ぶれしにくい目安のシャッタースピードは?

解説 手持ちの目安は「1 ÷ 焦点距離」秒より速く、です。50mm なら 1/50〜1/60 秒より速くが出発点。補正や画素数で変わります。

Q2走る子どもが、顔だけぶれている。カメラは確かに止まっている。まず直すのは?

解説 被写体が動いたことによるぶれ(被写体ぶれ)は、手ぶれ補正では止まりません。シャッタースピードを上げます。

Q3流し撮りで、被写体を止めて背景を流すコツとして正しいものは?

解説 押した瞬間に止めると、そこで揺れて被写体もぶれます。押したあとも振り切る(フォロースルー)のが基本です。

Q4日中の滝を、なめらかに流して撮りたい。光が多すぎて、遅くすると真っ白になる。どうする?

解説 ND フィルターは光を減らす道具です。ISO を最低にし、F値を絞ってもまだ明るいときは、ND フィルターを使います。

Q5連写について、正しいものはどれ?

解説 押してから写るまでの遅れがあるため、ピークの少し手前から始めます。連写にはバッファの限界があり、電子シャッターは照明で縞が出ることがあります。

よくある質問

手ぶれ補正は、三脚を使うときは切るべきですか?

機種によって違います。自動で三脚を検出して切り替わるものもあれば、切ることを勧めているものもあります。説明書を確かめ、迷ったら切った状態と入れた状態で1枚ずつ撮って、拡大して比べるのが確実です。

シャッタースピードを速くしたら、暗くなりました。どうすれば?

速くした分、光が減ったためです。F値を小さくする、ISO を上げる、の順で補います。ぶれた写真は後から直せないので、ISO を上げることをためらわないでください。

スマートフォンで流し撮りや長秒露光はできますか?

機種やアプリによっては、長秒露光に近い効果を出す撮影モードがあります。シャッタースピードを自分で決められる撮影アプリを使う方法もあります。流し撮りは、被写体を追いながら連写し、いちばんよい1枚を選ぶのが現実的です。